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中村家住宅

(なかむらけ じゅうたく)

琉球王国の農家暮らしを体感できる貴重な文化財

18世紀中頃に建てられた豪農の民家で、沖縄戦の戦禍を免れた歴史を持つ貴重な建造物であり、国の重要文化財に指定されています。

敷地面積は約1,500平方メートルで、赤い瓦の屋根にシーサーを載せた母屋、高庫、豚小屋などの5つの建物から構成されています。

主屋は18世紀中頃に建てられ、鎌倉・室町時代の日本建築の様式が取り入れられていますが、独自の手法が随所に見られます。

周囲を囲む石垣やフクギ、重い瓦は台風に備えるための工夫であり、屋根はアマハジという構造になっており、強い日差しと雨を避けるために作られています。

中村家は当時豪農であり、人々の生活の様子がわかります。沖縄の歴史や文化を知る上で重要な民家で、中村城跡から徒歩5分の距離に位置し、一緒に見学することをお勧めします。

中村家住宅(なかむらけじゅうたく)は、沖縄県中頭郡北中城村にある歴史的建造物(民家)で、国の重要文化財に指定されています。

### 概要

中村家の祖先に当たる賀氏(がうじ)は豪農であり、琉球王国の官人である護佐丸が1440年に首里王府の命に従い読谷から中城城に移った時に共に移り、その近くに居を構えました。護佐丸が阿麻和利に滅ぼされた後は不遇の時代が続きましたが、1720年頃には地頭代(本土で言う庄屋)に任ぜられるまでになりました。

現在の屋敷は、主屋(ウフヤ(母屋)・トゥングワ(台所))、アシャギ(離れ座敷)、高倉(籾倉)、フール(豚小屋兼便所)、メーヌヤー(家畜小屋兼納屋)、ヒンプン(目隠し塀)、カー(井戸)で構成されており、周囲はフクギと石垣で囲まれています。

屋根の上には魔除けのシーサーが鎮座しており、赤瓦は漆喰でしっかりと固められています。明治以前は竹瓦が葺かれていました。琉球王国時代には瓦は士族階級以上しか認められておらず、農民階級である中村家が瓦を用いるのは明治中頃から認められたためです。

琉球石灰岩で出来た石垣や防風林としてのフクギ、漆喰で固められた重い瓦はいずれも台風に備える工夫です。また、屋根はアマハジ(雨端)という、庇のように出張った構造で、強い日差しと雨を避けるためのものです。

### 沖縄戦後の保存

中村家住宅は沖縄戦の戦禍を免れた貴重な家屋であるため、1972年(昭和47年)5月15日に、沖縄がアメリカ合衆国から日本に返還された当日に国の重要文化財に指定されました。主屋(ウフヤ及びトゥングワ)、アシャギ、高倉(籾倉)、メーヌヤー(前の屋)、フールが指定されました。返還以前の1956年(昭和31年)には琉球政府からも重要文化財の指定がなされています。

### 建築概要

主屋は18世紀中頃の建築とされ、鎌倉・室町時代の日本建築の様式が取り入れられていますが、随所に独自の手法が加えられています。木材にはイヌマキやモッコクが使用され、これらの樹種は高級木材とされていました。

中村家住宅では、主屋(ウフヤ及びトゥングワ)、アシャギ〔あさぎ〕、高倉〔籾蔵〕、メーヌヤー〔前の屋〕、フール〔豚便所〕の5棟と宅地が重要文化財に指定されています。石牆(せきしょう)2棟とヒンプン(目隠し塀)が重要文化財の附(つけたり)指定となっており、宅地は1981年に追加指定されました。

Information

名称
中村家住宅
(なかむらけ じゅうたく)
リンク
公式サイト
住所
沖縄県中頭郡北中城村大城106
電話番号
098-935-3500
営業時間

9:00~17:00

定休日

水曜日・木曜日

料金

大人 500円
中学生・高校生 300円
小学生 200円
小学生未満 無料

駐車場
あり
アクセス

国道58号線経由 那覇市内より約35分

沖縄自動車道 那覇I.C.より約15分

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