沖縄の特産品・パパイヤは、地元では果物としてだけではなく、熟す前のものを野菜として食べるのが一般的である。庭で育てている家庭も多く、豚肉と炒めて食す「パパイヤイリチー」なども有名。「パパイヤ漬」は、パパイヤの実を薄く切り、黒糖と酢で調味した漬け汁に漬け込んだ南国らしい味わいで、パリパリっとした食感が特徴。新しいパパイヤの魅力に出会える逸品だ。甘辛いしょうゆ味、風味豊かな味噌味、ピリ辛のキムチ味など、店ごとの味わいの違いを比べるのも楽しい。
パパイヤは琉球方言では「まんじゅまい」、「まんじょまい」(万寿まい)、「もっか」(木瓜)と呼ばれますが、南西諸島では一般的に「パパイヤ」と呼ばれます。南西諸島の亜熱帯気候はパパイヤの生育に適しており、家庭の庭でも種をまけば2年ほどで実がなります。しかし、完熟まで庭に置いておくと鳥に食べられてしまったり、甘みが少なくなったりするため、青く未熟な状態で収穫され、野菜として食べられることが一般的です。
パパイヤ漬けの味付けは地域や家庭によって異なりますが、主に味噌漬け、醤油漬け、粕漬け(奈良漬け)、酢漬け、塩漬けに分かれます。生姜や鷹の爪を加えて風味を付けることもあります。近年ではキムチ風味のものも登場しています。
奄美大島の漬物店では、大きな塊でも販売されており、食料品店や土産物店では薄切りにしてポリ袋に詰められた商品が販売されています。
漬物用のパパイヤは、深い緑色で肉質が締まり、表面に傷がないものが適しています。黄緑色になると柔らかくなりすぎて傷みやすく、漬物には向きませんが、酢漬けにすることはできます。