沖縄では「アーサ」と呼ばれる「あおさ」は岩場にはえる緑色海藻で、「あおさのり」の名ももつ。正式名称は「ヒトエグサ」。「アーサ汁」は醤油と塩で仕上げた、ヒトエグサと島豆腐を使ったあっさり風味の吸い物で、沖縄県の伝統料理。アーサー汁やアーサ(アーサー)スープとも呼ばれる。豆腐をあわせたり、味噌汁にすることも多い。こってりとした味つけが多い沖縄料理の中では珍しい存在。定食や食卓には欠かせなく、沖縄のおふくろの味ともいえる。一口含めば磯の香りが広がり、沖縄の海を感じる味わい。淡白ながらも深いコクを堪能できる。ビタミンやミネラルが豊富で、食物繊維も多く含む。沖縄の朝におすすめしたい一品だ。
旬 4月 5月 6月 7月 8月 9月
魚から取った出汁に刻んだ豆腐とアーサを加え、塩や醤油、味噌などで味付けし、吸い物として供されます。家庭料理としてよく作られるほか、定食屋でも提供されることがあります。八重山地域では「ゆくずる」と呼ばれ、特別な日にも食されます。
沖縄地域では、ヒトエグサ、アオサ、アナアオサなどの緑藻を総じてアーサと呼びますが、食用とされるのは主にヒトエグサです。ヒトエグサは他の海藻に比べて高タンパク質で多くの食物繊維を含んでおり、ビタミンCやカルシウム、ミネラルも豊富です。春に採取されて乾燥させたものが年間を通じて利用され、天ぷらや卵焼き、粥、ジューシーなどの料理に広く用いられています。