伝統料理「ドゥルワカシー」が原型
田芋を使った琉球王国時代からの料理
ドゥル天のもとになった「ドゥルワカシー」は、琉球王国時代から伝わるとされる沖縄の伝統料理です。
田芋は、浅く水を張った水田のような畑で栽培されるサトイモの仲間です。ドゥルワカシーでは、この田芋をだし汁で煮込み、豚肉やかまぼこ、しいたけなどを加えて練りつぶします。仕上がりは、きんとんのようになめらかで、田芋ならではの粘りと食感を楽しめます。
ドゥル天が生まれたきっかけ
料理店のまかないから定番料理へ
ドゥル天は、1977年頃に那覇市の琉球料理店「うりずん」で生まれたとされています。
あるとき、売れ残ったドゥルワカシーを無駄にしたくないと考えた料理人が、これを丸めて油で揚げたところ、店主やスタッフから好評を得ました。その後、まかないやおやつとして食べられるようになり、やがて店の定番メニューとして提供されるようになったといわれています。
沖縄各地へ広がったドゥル天
1980年代頃になると、ドゥル天はほかの料理店にも広まり、現在では沖縄各地の飲食店で味わえる料理となっています。
発祥とされる「うりずん」では、もともと衣を付けずに揚げる素揚げで提供されていましたが、その後、コロッケのようにパン粉を衣に使うスタイルも取り入れられるようになりました。
外はカリッと、中はもちもち
田芋ならではの食感を楽しむ
ドゥル天の大きな魅力は、揚げたてのカリッとした衣と、内側の粘りのあるもちもちとした食感の組み合わせです。
田芋のほくほくとした風味に、豚肉やかまぼこ、しいたけなどの旨味が加わり、素朴ながらも味わい深い一品に仕上がります。
沖縄の食文化から生まれた一品
ドゥル天は、琉球王国時代から伝わるとされるドゥルワカシーをもとに生まれた、沖縄ならではの創作料理です。伝統的な料理を無駄なく生かそうとした工夫から誕生し、現在では沖縄を代表する料理のひとつとして親しまれています。
沖縄を訪れた際には、田芋の独特な食感と香ばしい衣を楽しみながら、沖縄の伝統と新しい食文化が融合したドゥル天を味わってみるのもおすすめです。