”ラフテー”は、豚の皮付きの三枚肉またはヒサガー(皮付きのもも肉)を泡盛や醤油で甘辛く味付けした郷土料理。いわゆる沖縄風の豚肉の角煮。元々は琉球王朝の宮廷料理のひとつで、琉球王朝時代からの保存食でもあった。作り方は、皮付きの豚肉をかたまりのまま下ゆでした後、5センチ角程度に切り分け、これを泡盛、しょうゆ、カツオや昆布の出汁、砂糖などをあわせた煮汁に入れてじっくりと煮込む。その後、一度冷まして煮汁に浮かんだ固まったラードを取り除いてからもう一度煮ると、箸でも切れるほどに肉がやわらかくなり、食べると舌の上でほろほろととろけるようなラフテーが完成する。長時間煮ることで余分な脂が落ちるため、ヘルシーなことから女性にも人気がある。
沖縄の伝統料理は豚肉を中心に展開され、「豚肉至上」という言葉がよく伝えられています。豚肉は肉だけでなく、内臓や顔、耳、血までが利用され、特に皮付きの三枚肉(バラ肉)がよく使われます。昔、沖縄では豚脂も貴重な栄養源でした。豚肉がよく使われる理由は、かつての琉球王朝が中国との交流を持っていたことで、豚肉文化が根付いたからです。日本の他の地域で広まった食肉の禁忌は琉球には影響を与えず、法事の際でも豚肉が使用されます。その中でも、代表的な料理の1つが「ラフテー」です。これは、皮つきの豚の三枚肉を砂糖、醤油、泡盛で長時間煮込んだもので、柔らかくて皮がとろける食感が特徴です。泡盛の香りもほのかに残り、琉球料理の代表格として愛されています。昔は暑い沖縄での保存食として濃い味付けでしたが、時代が経つにつれて味が薄まり、現在ではお祝い事や法事の席で提供される客膳料理として楽しまれています。
調理方法は次の通りです。まず、豚の三枚肉を直火で皮を焼き、熱湯に通します。その後、厚手の鍋に湯を沸かし、肉を入れ、アクを取りながら1時間半ほどゆで、汁ごと冷まします。肉を4〜5cm角に切り分け、かつおだしと泡盛を加えて弱火で1時間ほど煮ます。その後、砂糖を加えてさらに1時間、半量の醤油を加えて1時間、残りの醤油を加えて2時間煮込みます。肉が箸で簡単に切れるくらいやわらかくなったら完成です。
主な伝承地域:県内全域
主な使用食材:豚の三枚肉