缶詰のポークランチョンミートと鶏卵を使った料理。ポークを薄切りしたものを炒め、これと卵焼き(オムレツ風かスクランブルエッグ又は目玉焼き)に、ケチャップが添えられている。沖縄県では、第二次世界大戦後の占領時代に米軍によって持ち込まれた缶入りポークランチョンミート(略称「ポーク」)が、一般家庭の食材としても定着しており、味噌汁の具やチャンプルーなど様々な料理の素材として用いられる。よって、今でも「ポーク卵」は、沖縄県の大衆食堂や家庭でお馴染みのメニューとなっている。
ポーク玉子(ポークたまご)は、缶詰のポークランチョンミートと鶏卵を使った料理で、沖縄県の大衆食堂でよく見かける定食メニューのひとつです。
第二次世界大戦後の沖縄では、米軍によって持ち込まれた缶入りポークランチョンミートが一般家庭で使われるようになり、「ポーク」という略称で親しまれました。ポークは味噌汁の具やチャンプルーなど様々な料理に利用され、その中で薄切りのポークを焼いて卵料理と組み合わせることは一般的でした。それがそのまま食堂のメニューに採用され、「ポーク玉子」と呼ばれるようになりました。
「ポーク玉子」という表記が一般的ですが、店によっては「ポークたまご」「ポーク卵」「ポークとたまご焼き」などと表示されることもあります。なお、沖縄の家庭料理における「玉子焼き」は、本土と異なり四角く整形されたものではなく、丸いフライパンで焼かれた薄焼きの卵を指します。したがって、「ポーク玉子」では和風の卵焼きやだし巻き卵、目玉焼き、オムレツ、スクランブルエッグなどは提供されません。
典型的なスタイルは、厚さ約1センチのポークを焼いたものが2 - 3枚、折りたたんだ薄焼き卵、トマトケチャップとマヨネーズを混ぜたドレッシングがかかった生野菜が一皿に盛られ、ご飯と汁物が添えられます。ポークや卵には味付けがされず、トマトケチャップが添えられることが一般的です。沖縄のほとんどの大衆食堂で提供される安価な定食の一つです。
また、沖縄県の弁当屋やコンビニエンスストアでは、「ポークたまごおにぎり」が定番となっています。これは薄焼き卵とポークを海苔とご飯でサンドイッチにしたもので、味付けにはアンダンスーなどが用いられます。近年では観光客向けの「ポークたまごおにぎり」の専門店も登場し、沖縄の新名物として人気を博しています。