「ヒージャーグスイ(山羊薬)」といわれ、ヤギの肉を、水や泡盛などで長時間煮込んだ汁物料理。沖縄の代表的な薬餌効果の高いスタミナ料理として親しまれている。家の工事や農作業などの共同作業の際に、大勢で集まって食べる習慣がある。普段の食事の一品として食べるのではなく、大鍋いっぱいに山羊汁だけを用意して、それを囲んで泡盛を酌み交わしながら、それぞれが好きなだけ自分で食べる。独特のにおいがあるため、ヨモギや生姜をたっぷり入れて、塩味で味付けする。
ヒージャーは山羊のことで、フィージャーとも呼ばれます。ヒージャーの肉や骨付き肉、内臓などを大きな鍋でゆっくり煮込み、フーチバー(よもぎ)やンジャナ(苦菜)を入れて、塩味で味付けする料理です。独特の味と強い臭いが特徴で、好き嫌いが分かれる料理です。ヤギ肉は早く食べるほど美味しいとされ、多くの人々が集まって食べます。主に親類縁者の祝い事や、新築のお祝いなどで振る舞われます。
ヒージャーは県外ではあまり見かけませんが、沖縄県では栄養価の高い食材として珍重されてきました。体を温める効果や、病気やけがの回復薬として親しまれてきましたが、医学の進歩によりその側面は衰退し、伝統的な食文化として愛されています。
ヤギを解体したらすぐに料理し、大勢で食べるのが風習です。主に親類縁者の祝い事や、激励会、新築のお祝いなどで食されます。また、栄養を補給したいときにも作られます。
作り方は、ヤギ肉をぶつ切りにして、フーチバー(よもぎ)の葉先を摘み取り、水で洗って水気をきります。深鍋にヤギ肉と水を入れて火にかけ、煮立ったら弱火にしてアクを取りながら約3時間煮ます。途中でよもぎを加え、肉が柔らかくなるまで煮込みます。出来上がったら丼に盛り、おろしショウガをのせて塩を添えます。添えられた塩で味を調整しながら、各自で好みの味にします。