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沖縄そば

(おきなわ 蕎麦)

発祥は琉球王朝の宮廷料理。沖縄が誇る名物そば

小麦粉100%で作られた麺を、豚骨と鰹節ベースのスープで食す麺料理。沖縄県内では単に「そば」、あるいは方言で「すば」「うちなーすば」とも呼ばれる。起源は中国にあるとされ、伝わった当初は琉球王朝の宮廷料理だったが、大正時代に入ってから街中にそば屋が増え、多くの人々が食す料理になった。その後、改良が重ねられ、ソーキ(豚の骨付きあばら肉)もしくは豚の三枚肉、かまぼこやねぎを入れ、薬味に紅しょうがを添える独自の麺料理が誕生した。現在では細麺を使う八重山そばや、縮れがない麺を使う宮古そばなど、県内においても麺やスープ、具などに地域毎の異なる特徴がある。

「沖縄そば」は、そば粉ではなく小麦粉を使い、かん水で練って作る太めの麺と、豚骨やかつお節からとった濃厚なだしで仕上げたこってりとしたスープが特徴です。麺の上に乗せる具は、豚の三枚肉の煮付け、棒かまぼこ、ネギ、紅生姜が定番でしたが、近年はソーキそば、軟骨ソーキそば、野菜そばなど多様な種類があります。また、地域によって麺や具の特徴があり、宮古そば、八重山そばなどがあります。沖縄県民食の代表である「沖縄そば」の麺は、そば粉を使わないため、1976年に公正取引委員会から、「そば」と称することができないと指導がありました。慣れ親しんだ「沖縄そば」という名称や沖縄の食文化を守ろうと、沖縄生麺協同組合が立ち上がり、交渉を重ねて「沖縄そば」の商標登録を勝ち取りました。この日を記念して、10月17日は「沖縄そばの日」として制定されました。沖縄そばのルーツは、明治中期に唐人が那覇にそば屋を開いたことが始まりとされています。

作り方

豚の三枚肉は丸ごとゆで、5~6cm幅で5mmの厚さに切ります。小鍋に砂糖、醤油、泡盛、だしを煮立て、豚の三枚肉を入れて煮込みます。棒かまぼこは斜めに切り、ビラガラ(ネギ)は小口切りにします。鍋に豚とかつおの合わせだしと塩と醤油を煮立て、スープを作ります。たっぷりの湯でゆでた麺は水気をよく切り、丼に盛り付け、スープを注ぎ、煮込んだ豚の三枚肉、棒かまぼこ、ビラガラ、紅ショウガをのせます。お好みで島唐辛子を泡盛に漬けた調味料「コーレーグース」をかけると、味が引き締まります。豚だしのみで作ることもあります。

沖縄そばは、2005年には1日あたり19万から20万食が食べられるほどの人気を誇り、乾麺や袋入りのインスタント、そしてカップ麺としても販売されています。また、沖縄そばのスタンプラリーが毎年開催され、他県からの参加者もいます。

沖縄そば店は沖縄県を中心に点在しており、郷土料理としての性格が根強く残っています。県外や日本国外でも、都市部や沖縄県出身者の多い地域などで見かけることがあります。

しかし、ラーメンとしてではない製法を取るため、「ご当地ラーメン」と期待して食べた人の中にはがっかりする者もいます。

沖縄そばの起源は、琉球王国時代に中国南部から伝わったとされています。明治後期以降、日本本土出身者によって沖縄に持ち込まれた中国料理店でそのルーツが始まり、大正時代に一般庶民に広まりました。

初期の沖縄そばは、豚のだしをベースにした醤油味のスープで、具材も豚肉とネギのみでした。しかし、沖縄県民の味覚に合わせて改良が加えられ、現在のような薄めのスープになり、ばら肉や沖縄かまぼこ、小ねぎなどが具材として使われるようになりました。

また、かつては灰汁を使用していたことから「木灰そば」と呼ばれることもありました。戦後には米軍占領下で再び人気を取り戻し、沖縄の代表的な軽食として急速に普及しました。店ごとに異なる具材や出汁を競い合いながら、沖縄そばは県民食として発展していきました。

1970年頃にはすでに大衆食としての地位を確立し、ソーキそばなどの新しいスタイルも誕生しました。沖縄そばは沖縄本島だけでなく、宮古諸島や八重山諸島などにも広がりました。

沖縄そばの麺は、太めで少しねじれたうどんのような方形が一般的ですが、本島北部の名護では平打ちのきしめんのような麺が主に使われます。

一方、八重山列島の石垣島などでは細めのストレート麺が使われ、これを八重山そばと呼びます。宮古島のそばも細めの平打ちで、独自の特徴があります。

他にも、大東そば、久米島そば、名護そば、首里そば、那覇そば、与那原そば、山原そばなど、地域名を冠するそばがありますが、八重山そばや宮古そばのような特徴や歴史を持っているわけではなく、地域の名前を使ったものが多いです。最近では、沖縄本島でも宮古そば風の麺が人気を集めています。

沖縄そばの麺は、ゆでた後に油をまぶし、冷水で締めずに自然冷却する独特の製法が特徴です。これは保存性を高めるための工夫で、表面が固くボソボソした食感を生み出します。一部の店では手打ち麺や冷凍麺なども提供され、ゆで麺との食感の違いや低カロリーを売りにしています。

スープは、ほとんどの場合、豚出汁と鰹出汁をブレンドして作られます。その比率は店によって異なりますが、一般的には豚と鰹の二種類の濃縮スープが発売されています。最近では鰹出汁を主体としたスープも人気がありますが、古典的な豚だしや、九州ラーメンのような白濁した豚骨スープを使用する店もあります。一部の店では鶏がらや煮干しを使ったり、野菜を加えて甘みを出すこともあります。スープの色調もさまざまで、澄んだスープからラーメンのように油膜が浮かんでいるものまで様々です。

具材は、標準的な沖縄そばには三枚肉がトッピングされますが、ソーキそばや軟骨(ソーキ)そば、てびち(豚足)そば、中味(豚モツ)そば、「肉そば」(肉野菜炒めの載ったそば)なども代表的です。古くからの店では、三枚肉の代わりに脂身のない赤身の真肉や薄焼き卵、結び昆布、干し椎茸の甘煮などもトッピングされます。離島ではもずくがトッピングされることもあります。

100円そばなどの安価な商品では、肉が省略されたり、ポーク(ランチョンミート)で代用されることがよくあります。また、焼きそばにも沖縄そばの麺が使われることがあり、これを沖縄焼きそばと呼びます。

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名称
沖縄そば
(おきなわ 蕎麦)

那覇・沖縄本島南部

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